- 弁護士は、被告人が暴力性の素因となる遺伝子を(引用者中略)保有している可能性があると主張した(被告人の容疑は殺人だった)。したがって、被告人は自由意志を持っておらず、殺人罪に相当せず、無罪とされるべきだ、との主張がなされた。
同じ論理によれば、ある人に「生まれつき凶暴な人」というレッテルを貼ってあらかじめ隔離することを合理化できそうなところがあるので危ういなあと思う。この弁護士は、どこまで意図しているのかよくわからないが、素朴な遺伝決定論への信念を利用して裁判官を説得しようとしているように見える。
その他いろいろ考えてしまったが、真剣に悩むと「行為と責任」に関する論文を読む必要が出てきそうなので、以上でやめにします。