備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

クレジットカード「所持」

 クレジットカードを持ち歩くようになった。
 社会人として普通のことだと思われるかもしれないが、これまで「所有」はしても「所持」してはいなかった。
 そもそもどういう理由があって「所有」するようになったのかも覚えていないのだが、多分まだamazon.comがこの世に存在していなかった時代に、海外からの書籍の購入のために作ったのではないかと想像する。非常勤講師を始めて学生身分を失った頃、当時週1時間だけ教えていた短大の名前を勤務先として記し、審査を通過したことを記憶している。そんな感じなので、積極的にクレジットカードを使おうという気はずっとなかった。ただ、ネットショッピングで買うものが増えてくると、持ち歩かなくてもカードを使用する機会は自然と増加し、さらに家族カードなどというものができるに至り、自分の知らないあいだに使用金額がかさむようにまでなった。
 そして、昨年の家計簿を1年分まとめてみたところ、クレジットと銀行口座振替による支払いが、リアルな紙幣&硬貨による支払いを上回っていることが発見され、それではクレジットカードを使えるだけ使ってみたら、いかに現金を持たなくてすむようになるのか、自分の体を使って実験したいと思うようになった、というのが「所持」するようになった理由だ。
 これまであまり気にしていなかったが、チェーン店のスーパーマーケットでは、どこでもクレジットカードが使えるということを発見した。これで、現金離れがかなり進んだ。
 いちいちクレジットカードを出すのは不便な、少額決済が主となるような店舗(たとえばマクドナルドとか)では、電子マネーの方が一般的だ。そこで、電子マネーといえば、ANAの会員になったときにEdyがついてきたのを思い出して、それを使うことにした。カードリーダを使ってネットで登録すればクレジットカード経由で入金できるので、また現金離れが一歩進んだ。コンビニもだいたい、Edyで大丈夫だ。
 駅の売店などでは、交通系カードが便利だが、これもまたクレジットカードと一体化したものを使って、残額が少なくなったら自動的に補充するオートチャージ機能を付与したので、現金を使わなくなる。こうして、さらに現金離れが進んだ。
 一挙にこのような変化を経験したため、いくつかの発見をすることができた。
 その一つは、現金が必須となる場合が、はっきりしてきたことだ。
 (1)個人商店:これは最後まで残るだろう。1日2時間だけ、おばあさんが店をあけている鯛焼き屋さん(というのが実際に近所にあるのだが)で、使えるようになるとは思えない。あと、Big Issueを販売員の人から買う場合もそうだ。
 (2)ミスタードーナツ:より一般的には、客層を主婦、子どもと認識している店ということか。同社の「高級店」では、Edyが使えるらしい。
 (3)研究費の立て替え払い:これは、何とかなりそうな気がしないでもない。研究費専用クレジットカードとか、無理だろうか。
 (4)家電量販店:クレジううットカードを使うと、現金のときよりポイント還元率が悪くなる。
 (5)生協:これはもう電子化しているところもあるのでは? してないのは(1)の領域に属する小規模店ということか?
 次に、電子マネーを使える店の方がてっとりばやいと思って、現金を支払う店を敬遠するようになるという心理が働くことにも気づいた。これは、中小個人商店にとっては不利に働くことだ。電子マネーは、流通経路の多様性を奪うものかも知れない。
 それから、おそらく電子マネーを進めている側の思惑とは逆なのではないかと思うのだが、小銭がないという経験をすることが増えた。これはどういうことかというと、小銭が必要なときには、あらかじめその前の大きな買い物のときに、小銭を温存しようと努める。しかし、そういう大きな買い物をクレジットカードや電子マネーですませるようになるので、小銭の準備ができない場合が増えてしまうということだ。
 以上とりあえず、この1ヶ月ほどのあいだにわかったこと。
 続報あり(かも)。