備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

早すぎる配達

 ヨドバシカメラのネット宅配が早すぎて(速すぎて)油断できない。朝ポチッとしたら夕方くる。夕方頼んだら、寝坊できない。
 たしかに、29日の年賀状印刷中になくなったプリンタインクを30日に補充できるのは便利だが、何となく落ち着かない。ものごとを早く進めようとすると無理が生じるという数々の自分の体験が、どこかに問題が生じているという疑いを抱かせているのかもしれない。そして、本当にそんな問題があるかどうかは、見えないのでわからない。そういうわからないことの不安かも知れない。流通においては、早さよりも、ユニバーサル性を大切にした方が良いと私が勝手に考えているからかも知れない。いずれにしても、この早さが何かを犠牲にしているのではないかという漠たる不安があるようだ。
 もう一点は、この便利さが都市部に住むことの価値かもしれないが、それが本当に必要な質なのかと思うということだ。お金さえあって、ポチッとすれば、何でもすぐに揃う、そういう便利さの向上する世界こそが、私たちの望んできた「すばらしい新世界」だったのだろうかという、そういう疑問だ。
 とりあえず「のんびり配達」(またの名を「ゆとり」)ボタンがあれば、それを押すこともあるかも知れないと考えた。それこそ互いに余計な気遣いで無駄に思えるのだろうか?