備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

「体外受精卵には流産の危険がある遺伝子の間違いが多い」

BBCニュースのサイトから
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/4355928.stm
 教科書を書き換えるくらいのニュースだという話(という言い方が正しいのかどうかちょっと疑問)だが、日本だけで毎年1万件レベルで行われている体外受精に関する基本的な調査なのだから、本来もっと早くわかってもよいことのようにも思える。
 もちろん、染色体・遺伝子上の問題が多いから良くないという優生学的な響きをもつ主張を容易にすべきではないし、そのあたりにこの問題に難しさがあるのだが、だから体外受精を控えようという話ではなく、だからスクリーニングが必要という話になってくるあたりは解せない。またこのような受精卵の性質に関する情報提供が実際の体外受精の実施においてどのくらいなされているのかわからないが、このテクノロジーの使用に関するルール作りの必要性も感じられる。