備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

NHKスペシャル「日本のがん医療を問う」

 2日続きの本放送と、さらにその再放送を断片的に見ただけだが感想。
 前々からいろんなところで違和感を持つことがあって感じるようになっていたことなのだが、科学コミュニケーションというのは、本当に差し迫った状況に置かれており、切に知りたいと願っている人の「知る権利」を保証することこそが、とても重要な課題なのではないのだろうか。生活している中であまり知りたいという欲求を感じないような知識を、ほら楽しめるでしょっていう装いをつけながらお仕着せのように与えていこうとするのは、伝えたい側の単なる自己満足なのではないだろうか。これも決して悪い事ではないと思う。でも優先順位の問題がある。