備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

祝=卒業・修了

いつも3月20日が卒業式です。毎年思いますが、新宿校舎は、隣の建物が祝賀会のホテルという、卒業式に最適化された立地条件のキャンパスです。
ところで、本年卒業生の答辞が、いつもと違っていて、なおかつ良かったなと思わせられたので、どこが、どうして良かったのかと考えていました。いつもと違ったところは、お世話になった方への感謝や型どおりの大学生活の振り返りだけでなく、非常に個人的な体験が盛り込まれていたところです。ただ、その体験というのは、挫折、再生、努力、成果という、学生に期待される種類の物語になっていたことではないかと思いました。個人的な体験が、特別な才能や特別な運に恵まれた種類のものであったなら、あまり共感は呼ばないでしょう。その場を共有している他の卒業生たちにも同じようなことがあったかも知れないと思わせるようなもので、お祝いをする父母や教職員が共有できるものだったからではないかと考えました。