備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

センター試験「現代社会」2011の問題から

下線部(g)に関連して、医療技術の発達や生命倫理に関する記述として適当でないものを、次の(1)から(4)のうちから一つ選べ。
(1)日本では、臓器移植法の改正により、生前の本人の意思表示が不明の場合は、たとえ遺族が承諾しても、臓器提供はできないことになった。
(2)患者が治療を受ける際に、病状や治療内容を理解できるよう医師から十分に説明を受けて、治療への同意など、患者が自ら決定できるようにするインフォームド・コンセントが求められている。
(3)ヒトゲノムを解読するため、日本の研究グループも参画した国際的な研究プロジェクトが進められ、そのプロジェクト作業の完了が発表された。
(4)出生前に胎児の障がいや遺伝病の有無などを調べる出生前診断には、障がいのある子どもが産まれる可能性がある場合にあらかじめ準備ができるとの指摘がある一方で、命の選別につながるとの指摘もある。

(引用終わり)

 ちなみに、承諾をとる段階では、「遺族」ではなく「家族」と呼ぶ。家族が承諾してから法的な脳死の判定が行われるのであって、その逆ではないから。