備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

代々木ゼミナールの思い出

 ほとんど忘れかけていましたが、通ったことではなく、仕事をしたことがあります。
 ちょうど学部を卒業して大学院に入るとき、茨城の某大学に就職することになった先輩大学院生Sさんから、代わりに模試の採点をしないかと言われて引き受けた科目が「生物」でした。採点の他、講評を書き、問題を作るなど、修士論文を名目に遠ざかるまで、1年ほどアルバイトをしました。模試の問題は勝手に作って提出しておくもので、科学史風味を入れたりして楽しんで提出しました。辞めてから入金があったところを見ると、実際に採用されたものもあったようです。
 通帳を確かめたとき、振込は学校法人の名前ではなく企業名でなされていることに気づき、代ゼミにとって学校というのは表向きの顔なのではないかという印象を持ったのを覚えています。そんなことを最近のニュースから思い出しました。
 特定の専攻の大学院生は日本育英会(当時)の「予約奨学生」を申し込んでも採用しないという学内ルールがあったようで、そんな掲示も目にしており、少なくとも半年間現金が入ってこないという状況で引き受けたので、まじめに仕事をしたと思います。その頃は、「採点その日暮らし」みたいな人生を送るのではないかと、将来のことを考えていました。