備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

『私的所有論』

私の好きな特徴的な一節を思い出し、ご冥福をお祈りします。「もっと積極的に言えば、人は、決定しないこと、制御しないことを肯定したいのだ。人は、他者が存在することを認めたいのだと、他者をできる限り決定しない方が私にとってはよいのだという感覚をもっているのだと考えたらどうか。自己が制御しないことに積極的な価値を認める、そのような部分が私達にあると思う。」(立岩真也『私的所有論』(勁草書房、1997年)109頁)