備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

2日目

 市民が考える脳死・臓器移植の2日目。本日は、主にファシリテータSさんの技を観察してしまった。(「ファシリテータ」とは何かについては、小林傳司『誰が科学技術について考えるのか  コンセンサス会議という実験』(名古屋大学出版会 2004年)を参照。「まちづくり」系の人たちには、けっこう知られている言葉でもあるらしい。)
 ひっかかるところのない、かといって決して滑らかすぎないしゃべり方とか、市民パネルに返答を求めたときの間の取り方とか、しゃべりながらも視線は市民パネルの顔を順々に1人ずつしっかり見ているところとか、そういうところがよくわかった。「進行役」の難しいところは、一見何もしていないように見えながら、実は何かをしていて、それもし過ぎないようにそうする、というところなのではないだろうか。時間内に合意を得るように目標づけることのいかがわしさなど、「ファシリテーション」という行為自体に潜む問題点が気にならないではないのだが、とりあえず今日は勉強になった。