備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

国会図書館

 昨年の10月にスタートして初期にはトラブルもあったという、国会図書館の新システムを味わってきた。洋雑誌が関西に移って以降あまり使わなくなり、しばらく訪れていなかったので新システムになって初めての利用となる。
 まず入館時に当日用の入館証を自分で作成するようになっていた。作成機に名前他の必要データをペン入力すると、番号の入ったカードが出てくる。入館の手続きはちょっと面倒になっているが、一旦ここをクリアすると後は圧倒的に手間が省ける。名前も、住所も、ここで入力しておけば、再度要求されることはないからだ(ただし、そのことは後でわかった)。
 検索用のパソコンを使うのに入館証をセットする必要があって、今までとは違うけど何でこんなことをさせるのかと疑問に思いつつ検索を行ったところ、検索後の画面から閲覧請求ができるようになっているのを発見して驚くと同時に納得した。閲覧請求の申し込み用紙というもの自体が、なくなっていたのだ。
 また、閲覧中の本のコピーを頼むときは、入館証をセットしたコンピュータの画面に出てくる閲覧中の本のリストから、目的の書名をクリックして申込用紙をプリントアウトする。後はこの用紙にコピーしてほしい箇所の指示を記して提出。申込用紙にあらかじめ氏名や書名が印刷されてくるので、自分で記入するところは圧倒的に少なくて済む。
 さらに細かいことを言うと、コピーを郵送してもらうための宛名ラベルとか、コピーカウンター(後日受け取り用)に本を預けた場合に、本の代わりに返却カウンターに出す紙とか、も使わなくて済んだ。手書きを鬱陶しいと思うようになっている私にとっては、かなり快適になったという感じがする。コピー依頼箇所を指示するために始まりと終わりのページに挟む短冊状のわら半紙だけが、昔から変わらずその風情をとどめている。
 図書館としては、図書館の誇りにかけて、個人の資料利用データを蓄積したり、別の目的のために供与したりはしないだろうし、まさか入館証を住民基本台帳カードと一体化するなど考えていないとは思うものの、私に関するいろいろなデータがリンクしたまま残っていくことそれ自体が気にならないわけではない。