備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

「狼換算値」

 最近読んだ、金子務『オルデンバーグ』(中央公論新社)で気になる箇所があった。
 17世紀のイギリスの学者ウィルキンズが、ノアの方舟の大きさを推計した際、肉食獣の餌として積み込まれるべき羊の頭数を計算するにあたって、狼の食べる量を基準にして計算したと出ていたのだが、いったい誰が当時狼の食事量についてのデータを持っていたのだろうか? 誰かペットで飼っていたのか、それとも野生の狼の観察をしていた人がいたのか。いずれにしても狼の自然誌がどのくらい知られていたのかということが気になる。