備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

その律儀さが怖い

 主に3年生がとっている1限の授業。教室にはいると、すぐに近づいてきて話しかけてきた学生がいた。いったい何事かと身構えていると、車にはねられたので遅刻するという連絡が友達からあった、と教えてくれた。遅刻よりも何よりも、その学生は大丈夫なのかと問い返したが、本人からメールが来たので多分大丈夫だろうとのことだった。
 数年前、八王子で大雪が降った日に、「先生の1限の授業に間に合うように駅から自転車を飛ばしてきました」とキラキラした瞳で告白されたことがあった。お願いだからそんな危険なことはやめてくれ、と言ったが、出席すること、あるいは無遅刻無欠席であることに高い価値を見いだす学生が存在することも確かなようだ。教えている方が言うのも何だが「たかが大学の授業」に出るために「命がけ」をするものではない、とその後遅刻を注意するときには必ず付け加えるようにしている。
 今回のことも、まさかとは思うのだが、大したことのない事故で、メールするだけの余裕が十分にあってメールしたのかどうか、ちょっと気になった。