備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

科学のマドンナ

 理系進路選択支援事業「科学のマドンナ」プロジェクト
http://www.tus.ac.jp/madonna/
 東京理科大学がホームにmadonnaというディレクトリを切るほど力の入った企画。
 すでに言及されており、以下のような感想を発見した。
閑話休題】「女性しかわからない科学」って何? 東京理科大
http://sciencecommunication.blog.so-net.ne.jp/2008-05-09-1
今どきマドンナはないと思うが
http://page-only-one.cocolog-nifty.com/imotora7/2008/05/post_f897.html
 もう言い尽くされているようにも思うが、「マドンナ」という表現の含意は、その原義から考えても、あるいはこれまでの語用例から見ても、「男からの視点」というところにあるのは明らかだ。そこに違和感があるのではないだろうか。斎藤美奈子『紅一点論』の分析に頼るまでもない。
 確証はないが、このネーミングの由来は、夏目漱石の『坊っちゃん』に「物理学校」が登場することを、理科大がしばしば宣伝に引いていることと関係しているように思われる。ある世代の人にとっては、マドンナと言えば漱石の小説の登場人物なのかも知れない。(私の世代では「下着」姿の歌手だろうが。)