備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

出身大学より出身高校?

 本当は別の目的で書店に行ったのだが、ついつい目についてしまったので 「親と子のかしこい大学選び」というタイトルのムックを、ほんの少しだけ立ち読みした。
 「就職サポートに力を入れている大学」のランキングに工学院大学が入っているのを発見したり、堀ちえみの一番上の子どもが大学生だというのに驚いたり、ついでに堀ちえみと結婚したいと宣言してテレビ局に就職したのにほぼ同時に引退でショックを受けていた後輩がいたことを思い出したりしながら、それでも一緒に連れてきた2歳児(もうすぐ3歳)が音の出る本で遊んでいるのを耳で「監視」しながらだったので、あまり注意深くは読めなかったのだが、ちょっと気になることが書いてあるのが目にとまった。
 それは、企業の人事担当者の座談会のようなもので、在籍大学名を気にしますかという当該ムックらしいインタビュアーの質問で始まり、「気にしないと言ったら嘘になります」的な大して意味のない回答を企業の人がするという穏やかな出だしであるにもかかわらず、その後でしゃべっている「電機」業界の担当者が、自信をもって次のような発言をしていたところだ。その発言というのは、大学より出身高校が大事、かなりの有名大学でも推薦やAO入試で学生をとっているから実力がわからない、それに対して高校入試は受験の実力がそのまま出ている、だから出身高校を重視するというようなものだった。(買ってないので正確ではないが、大意はこのとおり。)
 これは大学選びのためのムックで、おそらくは高校生が読んでいる。そんな高校生の立場も、ムックの企画自体も否定するようなことを言ったら、元も子もないじゃないかと思うのだが、それをそのまま載せてくれているということは、編集部がまじめなんだろう。 
 しかし、そんなに推薦やAOが悪いことなのか? 大学が学生の実力を伸ばしているとは、つゆほども考えないのか? 「15歳児神話」があるのか? そんなことを考えさせられた。
 ちなみにこちら。
 「親と子のかしこい大学選び 2010年版」
 http://www.amazon.co.jp/dp/4532691613
 ちなみにちなみに、音の出るものを1つ買う羽目になった。