著者の松永俊男さんから送ってもらいました。
日本語の原著としては大変久しぶりとなるダーウィン伝。
もちろん、もっと詳しい伝記はDesmond & Moore (1994), Browne(2002), Herbert(2005)とかもあるのだが、最初の一つをのぞいて日本語では読めないし、日本語で読める最初の一つは、簡単に読めないくらい分厚い。また、八杉龍一氏など古い専門家が書いた伝記もあるが、新しい資料に基づいていないので間違いが多い。 なので、少し専門的なことが知りたくなった場合に読める「定番」のダーウィン伝となるだろう。
『現代思想』の特別増刊号(2009年4月)でも、ダーウィンについて史実にないエピソードや間違った事実認識が流通していることに苦言を呈していた松永さんのことである、おそらく本書の想定している読者には、教育関係者、出版およびテレビ番組制作者も含まれているのだろうと思う。
私も授業などのネタ本として活用させてもらうが、これは著者の意図にかなったものだと思う。