備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

右手の存在価値が暴落

 ペンの代わりにキーボードで文章を書き、パワーポイントで授業をする私にとって、右手が左手と比べて大きな価値を持つものではなくなっていることに気づいた。たしかに自動改札が右手仕様であるなど右利きにとって有利にできている世の中ではあるが、右手のもつ器用さが特別役に立つ機会は減っている。私の行動様式の変化が、私の右手の価値の暴落を導いた。もっと一般的に言えば、身体機能を外部に代替させることは、身体の存在意義を小さなものにする。そういったことが可能であるという事実は、これから衰えていく身体にとってうれしいことでもある。
 インフルエンザ予防接種。目の前で8歳児に範を垂れる予定・・・だったが、直前に開き直った8歳児は自ら前に出た。後から受けた私は、右袖を捲り上げた後で嫌な予感にとらわれ、直前に左手に変えた。その後、昨年は腕に痛みが生じて少し腫れたことを思い出す。夜になって実際に腕が痛くなってくると、右手じゃなくて良かったと思ったのだが、そこで浮かんできたのが上に書いたこと。