備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

インタープリタ

「科学を易しい言葉で――“通訳”養成、大学院で」
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050531i116.htm

科学技術への理解を国民に深めてもらおうと、文部科学省は31日、素人にもわかりやすく説明できる“通訳”の養成コースを3つの大学院で開設することを明らかにした。大学院での本格的な科学コミュニケーション講座の登場は初めて。
 3件は「科学技術インタープリター養成プログラム」(松井孝典・東大大学院教授)、「科学技術コミュニケーター養成ユニット」(杉山滋郎・北大大学院教授)、「科学技術ジャーナリスト養成プログラム」(伊東孝之・早大大学院政治学研究科長)。

 2月に科学未来館に行ったときに思いついたのだが、情報処理用語の「インタプリタ」というのは、自然言語(日常言語)に近いプログラム言語を機械語に翻訳する場合に使う言葉だ。それになぞらえて考えると、市民(非専門家)の言葉を専門家にわかるように伝えるのが「インタープリター」ということになる。そっちが大切だと思うのだが、多分反対の意味で使っているのだろう。「コミュニケーター」という言葉には、ちゃんと双方向性を意識した感がある。