備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

西アフリカ「初の」市民会議

 「マリの綿農家たちの結論は「ノン」」
http://www.diplo.jp/articles06/0604-2.html
 GMOを拒否するのはぜいたくな先進国ばかりで、開発途上国は受け入れざるを得ないという見方もある。この説明はよくわからないのだが、今後の食糧人口問題の解決にとって不可欠の技術であると見なすとそういうことになるのかもしれない。たしかに、GMOの国内作付け面積を増やしている開発途上国はたくさんある。それに対して拒否を貫いている国もある。いずれにしても様々な事情がありつつも、GMOを受け入れる開発途上国は増えている。
 今回のマリのような市民会議の事例が増えるのかどうか、増えれば拒否の動きが強くなるのかどうか、そういったところに一応注目したい。
 ちなみに、フランス(スイス?)人らしき著者は「イスラム圏とされるマリの人々は、心の底にアニミズム的な発想を持っている。遺伝子工学の物質主義的な態度、つまり、ある生物の遺伝子を抽出して別の生物に組み込むなどという姿勢には、心穏やかでいられない。」と書いているが、日本にもあてはまりそうな話だ。