理科の試験監督を終えた某先生(文系)が、この日本語はおかしいのではないかと言ってきた。
よく使う表現に聞こえたので最初はわからなかったが、名詞(というより動詞の語幹?)に「な」をつけてむりやり形容句(日本語文法的には形容動詞?)にした日本語のような気もしてきた。じゃあ「不安定な」もおかしいのかと考えたが、こちらはより自然に響く。「不幸な」とはいうが「幸な」(「幸いな」ではなくて)とは言わないので、「不」の有無で扱いが異なっていても不思議ではない。ATOKだとちゃんと「安定な」が一語として変換される。
ひょっとすると翻訳語(英語はstableだろうか?)由来で定着した言葉なのだろうか。デカルトの有名な"clair et distinct"を「明晰判明な」と訳しているのを見たときに、普通日本語で「明晰な」とは言っても「判明な」とは言わないだろうが、まあもとが形容詞だから仕方がないのかと納得したことがあった。記憶違いかも知れないが、戦後すぐに中谷宇吉郎は今なら「安定な点」とするところで「安定の点」と書いていたような気がしてきた。
詳しく調べる時間はないので「未解決な問題」。