備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

書評掲載

『化学史研究』第37巻第3号(2010)162-164
[紹介]林真理「松原洋子・小泉義之編著『生命の臨界:争点としての生命』」
 2005年に出た本の書評を某学会の書評委員の人に頼まれて(頼まれたのがいつだったかは忘れた。メールを調べれば出てくるかも知れないけど面倒。)、でもなかなか書けなくて、やっと書いて2009年に投稿したところすっかり委員も入れ替わっていて、これほど出てから時間のたっている本の書評は載せられないということになっているという編集委員長からの丁寧なお断りのお手紙が来た。
 その学会は新しいものが好きな学会だから仕方ないとあきらめて、でもあきらめきれずに別の雑誌に投稿して載せてもらった、というもの。化学史学会に感謝。最初に書いたときよりずっと短くなったし、また内容も媒体に応じて多少直したところがある。
 書評を頼まれたのに書かない人がいるということは、頼んだ方はそのあいだ別の人に頼み直すわけにはいかないのだから、書評が出るのをストップさせているということになる。それはその本にとって不幸なことだ。だから、書評を頼まれたら、絶対書くか、あるいは早めに断るかしなければならない、と思う。これは、自分がずっと昔『科学史研究』の編集委員だったときに学んだこと。でも、これまでも何回か申し訳ないことをしてきたのも事実。そんなこんなが、あきらめきれなかった理由。
 自分が編集委員をしている(当時は委員長だったかも)雑誌に載せるという手もないではなかったが、第一著者も評者も編集委員というのはあまりにも手前味噌すぎると感じたのも、この雑誌に投稿した理由の一つ。
 この本自体は、K泉さんに送ってもらったものであるというのも、ちゃんと書かなければと思った理由になる(だろうか)。
 23日(祝)の大学は静かだった。