電車でシルバーシートに座っている女性が、ホチキス綴じした雑誌記事のコピーのようなものを読んでいるのが目に入り、「池内了」という著者名が見えてしまったので気になった。「自然サイドのエネルギーで生きる」とかそういうタイトルだった。よく見ると、その人は「おなかの中に赤ちゃんがいます」という例のキーホルダーを鞄に付けていた。
幼稚園からきた配布物に、放射線測定結果のデータが記してあった。幼稚園のある区内すべての、幼稚園・小中学校で測定を行っているらしい。ちなみに、区のウェブページに結果が発表されていたのは、区立の幼小中だけのようだ。配布物には何の説明も解釈もなく、ただ数字だけが羅列してあった。いまや、こういう提示の仕方が、もっとも適切な提示の仕方になってしまったということ自体が、本来は驚くべきことだ。
配布物に載っていた、時間(hour)あたりの一番高い数字に24と365をかけて1mS弱であることを確認している自分がいた。こんな計算を、実測値にもとづいてすることになるなどということは、そういえば想像していなかった。
また一人、「放射能」を理由に東京から引っ越す予定という人の話を聞いた。
大学では、節電のための担当者を部署ごとに選出することになった。
3.11以後の東京は、これまでとは違った世界観の中にあるようだ。