備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

誰に売ろうとしているのか疑問だったこと(2)

 誰に売ろうとしているのか、頭の中にクエスチョンマークが出てきたもう一つは、『ホットロード』(wikipedia)の映画版です。もしかすると現代風にアレンジされるのかと思いましたが、LINEなんか出てきたら昭和の暴走族風味が台無しなので、それはないでしょう。往年のファンに訴えようとするなら原作から30年近い年月は、今さらにもほどがあります。しかし、主題歌が尾崎豊というあたりは、オールド層を狙っているとした思えません。(今の若者にとって尾崎の詩は、高校の倫理の教科書に出ている教材であり、意味が反転しています。)こういうのもきっと、ちゃんと事前にマーケティング調査がなされており、観に行く人が多いと見なされているんだろうなあと考えると、いったいどういう層の支持を得ているのか、とても不思議に思った次第でした。
 原作は全巻読みましたが、もし今読み直すと、あの時代には「チャイルド・プア」という言葉もなかったとか、若者のバイク離れも進んだとか、そんなことを考えさせられそうです。『瞬きもせず』は、西池袋に住んでいたとき、日本語より中国語がたくさん聞こえてくる喫茶店に置いてあったのを読破し損ねました。
 昨日もまた、先週に引きつづき、3限の授業では現役高校生の皆さんをお迎えしました。通常の授業に参加する企画ということなので、特別な準備をしたわけではありませんが、早く教室に行って室内の温度を調べたりとか、結果としてそういう気遣いはいつも以上だったかも知れません。大学の勉強が楽しそうだと思ってもらえると良いなと思います。