備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

体験サイクルシェア(自転車シェアリング広域実験)

 先日、学会会場の茗荷谷筑波大学まで「サイクルシェア」を利用してみました。
 サイクルシェアは、NTTdocomoが行う広域実験です。
 http://docomo-cycle.jp/tokyo-project/
 都内各所に自転車置き場があって、特に勤務先のすぐそばにもあるので、前から気になっていました。今回利用したのは、通勤途中の地下鉄駅前から、目的となった大学となりの文京区の公園までです。初めての道ということもあり、また安全運転に留意したため、基本料金の30分以内では行けませんでした。
 東京は坂の多いところです。電動アシスト車といっても坂道は少し力が必要です。グーグルマップでルートはすぐにわかりますが、高低差はネットで調べにくい(特に短距離の急な坂)ので、よく知っている道でないとちょっと大変かも知れないと思いました。が、週に一度定期的に通うような場所に行くのには、とても便利に使える感じです。
 前カゴはありますが、基本的にあまり荷物は運べません。身一つの利用、またはリュックでの利用が必須です。鞄にパソコンを入れている人にはあまり向いていないかも知れません。自転車のタイプが限られていると、特定の人しか利用しないかも知れません。他方で、他方でさまざまな自転車を取りそろえると、目当ての自転車が見当たらないということがあると思います。今のシステムでは予約前にどんな自転車かわかりませんが、自転車には一台一台固有のIDが付いており、IDを指定して借りる仕組みなので、写真をちゃんと掲載するようにすれば問題ないかも知れません。
 また、私自身がまさにそうだったのですが、海抜の高いところから低いところへ行くのには使うけれど、あるいは都心に行くのには使うけれど、帰りは使わないということが頻繁にありそうだというのも気になりました。どこのステーションで乗り降りしても良いというシステムでは、自転車の居場所に偏りができるのではないでしょうか。GPSで把握された自転車の配置の偏りを直すために自転車で移動するアルバイトが必要になるのではないかと想像しました。あるいは、自転車がたまり過ぎた場所からのレンタルは料金を安くするなど、変動相場も取り入れて、料金に差をつけても良いかも知れません。
 自動車に続いて自転車も、自分で持たない時代が来るでしょうか? 自動車ほど投資は必要ないので、毎日使う人も多いでしょうし、個人の楽しみとしてマイ自転車を持つことはあるでしょうが、たまにしか使わない人は持たなくても良いのではないか、と思っています。