備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

愛ルケが大不評

 日本経済新聞に連載中の「愛の流刑地」(略して「愛ルケ」と言うらしい)というエロ小説が、某研究会出席者の女性のあいだで絶不評であった。聞くところによれば、さえない初老の男性と「人妻」との不倫を描いたものだという。
 日経新聞は近頃、就職活動に役立つという名目で大学生の購読者開拓を進めており、またTVCMを見る限り若い女性読者獲得にも力を入れているように見えるのだが、それにもかかわらずこういう連載小説を掲載するのだから、たしかにちょっと理解に苦しむ。きっと、この程度のオヤジエロに抵抗を示すようでは、会社員として耐性がないというくらいに考えているのだろう。これを読んだ求職中の女子学生が、日経新聞社に勤めるのはやめておいた方が良さそうだと考えるようになれば、それはお互いにとって望ましいことかも知れない。
 なお、同じく日経新聞には、最終面の上の方に掲載されているためときどき電車の中で目に入ってくる「私の履歴書」という欄があって、これは功成り名遂げた財界人等の生い立ちや主張を載せている。「愛ルケ」もまた「枯れかけたおじさんに夢を見させる」という意味では、それと同等の機能を果たしていると理解できるし、そう考えればこの連載の意味もよく見えてこようというものだ。