備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

水素水の素

 新宿の某店で見かけた貼り紙。
 涼しげなデザインから、あたかも「かき氷始めました」を思い起こさせるのだが、水素水の素は水に入れて飲む固形物のようだ。
水素水の素
 「水素水の素」という表現が面白かったので思わず撮影してしまったのだが、右側に小さい字でさらに面白いものが写っていた。
 世界的医学雑誌「ネイチャーメディシン」で研究成果を発表、とのことだ。
 ネットで調べたところ該当著者および論文は見当がついた。
http://daily-medical.com/article/41140447.html
 さらに一部の「水素水」販売会社が便乗したために、疑似科学監視業界で話題が盛り上がり、当人がウェブページに関係がないという告知を出すに至ったとか、瀬名秀明氏がブログで「「活性水素水」と「水素水」はまったく別のものです 【水素水その1】」というエントリーを書いていることもわかった。
http://news.senahideaki.com/article/103208219.html
 他方で、本人はブルーマーキュリーという、水素水を売ることが主目的の会社の顧問にもなってもいるので、なかなか紛らわしい。
 ブルーマーキュリー:http://www.bluemercury.co.jp/
 もちろん、この会社の水素水は健康効果などうたってはいないのだが、質問コーナーに

 Q:どのくらい飲めばいいのですか?
 A:「おいしい水素水(アルミパウチタイプ)500ml」の場合、1日1本〜2本程度。 (後略)

 などいうのがあって、何が目的なのか不明なのに適度な量が定められているという不思議な事態になっているのをどう考えたら良いのだろう。
 ブルーマーキュリーの水素水は、「アネキャン」(←カタカナ表記だった)最新号に掲載された宣伝しているので、これはちゃっと買って読んでみようと思う。
 ところで、もちろん「水素水の素」は、ブルーマーキュリー社の商品ではない。この宣伝コピーも、論文を特定しているわけではないので、著者に抗議されても何とか言い逃れができると考えているのだろう。(か?)