備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

3月9日

 8日(月)。
 そういう季節になったので、また今年も送別会。その場にいる人の中で歳の順番を数えてみたら、だいたい自分は真ん中くらいだとわかった。47年勤めた事務職員の方の話など聞くと、まだまだ自分には遠い世界だと、想像がつかない。
 有名な哲学者のK脇先生が亡くなった話を同僚の某哲学者氏から聞かされて、初めて知った。年齢順とは限らないこともある。ご冥福を祈りたい。
 9日(火)。
 いろいろ。朝と夜はメールばかり書いていたような。
 土曜日の予習のために『奇想科学の冒険』を読む。
 元素を擬人化した『化学者の夢』(戦々道士 1906年)という明治の啓蒙書があるのを知って、国会図書館近代デジタルライブラリーで探してみた。「水銀と称する青年」や「銅氏」が出てきたりするが、やはり全キャラを個別に登場させて描き分けるのはなかなか難しいと見えて、七十数名が集会を開いている場面を描いている。擬人化には、四元素説の方が適していることは明らかだ。
 ちなみに、国会図書館の所蔵書では、七十の「七」の横に「八」と修正した跡がある。デジタルライブラリー上で見える範囲では、そもそも印刷なのか、それとも書き込みなのか、はっきりしない。どういう経緯で誰が直したのか考えてみるのは、とても面白い。希ガスの発見も19世紀。ポロニウムラジウムも間に合ってていてもおかしくないはず。では、そもそもどうして「七十余」と考えたのだろう。どういう情報に基づいて修正したのだろう。誰か、詳しい方、教えて下さい。