備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

本邦初の小児脳死ドナー臓器移植に投げかけられた疑問

 心臓外科医のコメント。
「本邦初の小児脳死ドナー臓器移植に投げかけられた疑問」(大塚俊哉)
http://news.livedoor.com/article/detail/5511263
 週刊文藝春秋が「初の子ども脳死移植。「少年」は事故死ではなく自殺だった!?」という記事を出したことを受けてのもの。週刊誌記事の真偽は不明という前提で書かれている。
 なお、匿名掲示板には、この記事をもとにして発掘されたとおぼしき、生徒の列車への飛び込みを伝える地方紙の記事があがっている。(新聞などの発表では「(交通)事故」。)
 週刊誌にあったドナーの都道府県は、最初腎臓(のうち1つ)の提供が行われる予定と伝えられた病院(実際は予定変更)の所在地。脳死腎のうち1つは地元提供されるという規則とも整合性がとれている。
 それに対して、週刊誌の記事が間違いであれば(もしそうだとしてもそれなりの根拠を持って書いたのであれば週刊誌記事を断罪することはしてはいけないと思う)、結果的には大変迷惑がかかる話である。提供者の特定はプライバシーの観点から不可能でも、話題になっている少年について「その人ではない」と断言すること、あるいはドナーは自殺者でないと明言すること、は可能なのではないか。提供病院名はあかせないので、その責任は臓器移植ネットワークにある。