備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

「猫のいる生活」最終版

 昨年末、最後の猫が、19歳で亡くなりました。生きていればこの4月で20歳になったはずと、思い出しています。まだ子猫だった頃、こんなに猫がいたら嫌がるお客さんがいるに違いないと心配になる高円寺パル商店街の呉服屋さんから、一緒に生まれたもう一匹とともに、もらわれてきた男の子です。最後の数ヶ月は、よく食べましたが、痩せて、弱々しく歩き、日向ぼっこの毎日でした。
 足かけ20年以上続いた猫との暮らしが終わって、生活は大きく変わりました。猫のいない毎日は「自由」な毎日です。おかげで2泊3日の家族旅行に行けたりもします。それでも、猫のいないことに、何か欠けている気持ちが止みません。
 猫は何もしてくれません。むしろ手間がかかります。お金もかかります。そして感謝もしません。それなのに、人はなぜ猫と一緒に暮らしたいと思うのでしょうか。考え始めると不思議です。
 愛しい存在が、生きてそこに在れば、それで良いではないか。もしかすると、そんな大切なことを実感として私が知ることができたのは猫のおかげではないかと、けっこう本気で思っています。