備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

違和感を言葉にしてみる

 知識がないと生きていけない社会より、知識がなくても生きていける社会の方が良い社会に決まっている。それでも非専門家が知識を求める場合があるとすれば、それはやむなく自己防衛をする場合、つまり信頼できる専門家がいない場合なのではないかと思う。そうでない場合に、科学コミュニケーションなど必要ない。
 テクノロジーに依存する高度知識社会においては、科学技術を受容する側の市民のリテラシーを高めることが重要だという人もいる。しかし、斬新だが不安定な先端知識のおかげで維持されていく社会が、本当に豊かな社会なのかどうかは疑問だ。