ナチス時代のドイツで、ユダヤ人虐殺よりも前に、障害者のガス室送りが行われていたことを扱った作品です。
http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/3500/230061.html
とても重要だと思ったのは、国家のためという名目での、医学という手段を用いた弱者の切り捨ての正当化が、社会的に浸透していくプロセスでした。
まず医師たちが、専門家の義務として実施を決断します。コメディカルスタッフが、医師の権威のもとでそれに従います。最後に世間の目を気にした家族が、あえて問題視しないことで協力します。ここに登場するのは、使命感を持った医師、医師の判断に忠実に従う看護師、波風を立てない心優しい家族です。
しかしそれでも、悲劇を防ぐ機会はあったということが、今になってみればわかります。前触れを敏感に察知し、社会の危うい変化に気づいて、未然に声を上げようとすること、そしてその声を拡散していくことです。
歴史に学ぶことの大切さを教えられました。