備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

第2回社会技術フォーラム

 「第2回社会技術フォーラム 生命科学と社会の接点で社会技術に何が出来るか〜未来の最先端医療に焦点を合わせて〜」という長い名前の会議を見学。
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 第1部の生命科学の研究者2人の講演はほとんど概論的な話ばかりだったが、それに加えて研究に対する日本の規制の厳しさや不合理性、マスコミの誤解、社会の無理解などを嘆いていたのが印象に残った。せめて「納税者には生命科学に対する誤解や無理解が蔓延しているというのに、それでも多額の国費を使った研究ができるなんて、何てありがたいことだ」くらいに感じてくれないものかと思う。
 後半の第2部は、第1部にプラスしてせっかく3人のゲストを揃えたのに、あまり十分に「活用」されなくて終わった印象を受けた。また、いつも同じようなメンバーでこういう話をしているという発言が出たり、質問者も科学技術振興機構(JST:ちなみに「社会技術開発」はJSTの戦略的研究事業の一つである)関係者が続いたりで、ちょっと「馴れ合い」感が漂っていた。
 研究当事者の率直な思いを聞けたのが収穫だった、か? あと、イギリスでhuman subject(被験者)と呼ばないでparticipantと呼ぶことがあるらしいという情報とか。