備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

チューリップ畑

 午前中、ネコを病院に連れて行った。その途中にある少し大きめの家で、門から玄関まで数mのあいだ、チューリップの入った植木鉢をほとんど隙間無く並べているのを発見した。今、その色とりどりのチューリップの花がちょうど今を盛りと咲き誇っている。まるでカラフルな絨毯が敷き詰められたようだ。ちょっと見とれそうになる。
 帰りに同じ家の前を通ると、車いすに乗ったお年寄りの女性と、その車いすを押しているもう1人の決して若くはない女生の2人が、正面から門の中を見ていた。2人はその家に入るというわけでもなく、ただ中をながめているだけのようだった。ちょっと散歩に出てきたという雰囲気の普段着姿から、この近所で一緒に暮らしている母娘ではないかと感じた。歩道の一部を一時占領して、他人の家の中をのぞくというのは、決してマナーの良い話ではないが、嫌な感じはしなかった。しばらく見させてあげて欲しいと思った。
 GWもきっとどこにも行かない私は、こんなふうに歳をとって移動が不自由になることもそれほど嫌なことではないと感じている。美しいものや楽しいことは、探せば家の中でも近所でも見つかるのだから。