13日に参議院で行われた採決では、法律の文面上は脳死を人の死と見なしているように読めるいわゆる「A案」が賛成多数となって、「臓器の移植に関する法律」の改正が決まった。
この間の経過はニュースサイト等でも報道されているが、下記のサイトが独自の分析もあって有益。
http://d.hatena.ne.jp/minajump/
長期脳死者は本当は脳死じゃないという誤情報、WHOが渡航移植を禁じ(ようとし)ているという誤情報など、情報が混乱した。会議場ではビラが回ったという新聞報道もある。都議会議員選挙および衆議院議員選挙日程を横目で見ながら、審議を打ち切って採決をしたと言われても仕方がない。共産党以外は党議拘束がないため、個人の見識が問われる議案のはずなのだが、どれほど審議に集中できたのか、さだかではない。
ただし、法律の文面の変更だけですべてが決まるわけではない。実際の運用がどうなるのかは、これからだ。行政および専門家の責任と課題が多くなったと見るべきだろう。小児の脳死判定基準や虐待児童発見策をどうするのか、親族への優先提供の範囲と手続き、提供者家族のケアの問題、そしてそれらについての検証プロセス。これらをどのように実現していくかという議論の中で、第二段階の政治が始まることになる。それがどれほど透明な中で行われるかが大きな問題だ。
今後の動向に注目していきたい。
(今学期の授業がほぼ終わりかけて、やっと目が覚めてきました。)