備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

アナログなライフログ

 ライフログという概念は、日常的に利用可能なデジタル機器の普及によって成立したように見える。テレビ報道の伝え方()も、Wikipediaの記述(これ)も、そういった論調だ。
 しかし、おそらく、アナログでライフログを記録し続けてきた人は、数多くいるに違いない。物を捨てられない人、記録魔の人、文章を書くことが人生である人、そういった人たちが、紙の記録や物そのものの形で「ログ」を残してきた。媒体の一貫性を保持するという観点からも、彼らがデジタルに移行することはないだろう。ライフログの歴史には大きな断絶が生まれることになりそうだ。
 毎日びっしりと見開きに記録を付けている大学ノートを実際に見せてもらって、そんなことを考えた。大学業務の会議の後、日本科学史学会生物学史分科会の総会、その後懇親会。