備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

オルガンレクチャー・コンサート体験

 東京女子大で、大学専属オルガニストの演奏とレクチャー。チャペル後部上方でオルガンを演奏するシーンを横からカメラで撮影し、それを前方のスクリーンに映し出す。前を見ながら聞いていても、音の聞こえ方にまったく違和感を感じないのが後から考えると不思議。
 講義を聞いて理解したのは、パイプオルガンには歴史性が込められているということだ。オルガンは建築に即して設計されるため、建築の影響を受け、一品単位での生産になる。したがってオルガンの技術史は、宗教とも、建築とも深く関連する。また、演奏者は、演奏にあたってその曲が作られた時代の演奏を再現しようとするが、実際に使われたキー(音色)はわからないので、その時代にその曲が演奏されたと思われるオルガンを調査し、その結果を時代状況と合わせて解釈して、演奏を工夫する。つまり、演奏者は歴史家でなければならない。
 戦前からの伝統あるチャペルに対してバブル期に後付けされたオルガンがいくらかオーバースペックであるというのも、きっと後世歴史の一幕として理解されるだろう。
 東京女子大学のお客様用無線LANは、自動で発見されず、SSIDを手動で入力しなければいけない仕様。接続のためのWEPキー(パスワード)も、印刷しての配布は不可。セキュリティが厳しいのは想定どおり。