備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

公園高齢男性

 ママ友のお花見で賑わう近所の公園の平日昼下がり。10歳児を連れてベンチに座っている私に話しかけてきた高齢男性は、ずっと東京に住んでいるのかと質問してきたけれど、私の答えを十分に聞かないまま自分の話を始めた。
 世界各国を訪れたことがある話に、へえすごいですねえと返したのが災いして、石油開発の技術者をしていたこと、よく聞き取れなかったが経団連ビルで著名な人と会ったことがあることなど、公園で珍しく話しの通じそうなおじさんを見つけたうれしさもあったのか、話が止まらなくなってきた。そのうち、遊び相手を奪われた10歳児が不満そうな顔をしてきたので、そちらに応答するのが忙しい様子に諦めて離れていってくれたが、すぐに、別の子連れ女性に話しかけていた。
 いつまでも前を見て生きていきたいと思っているけれども、振り返ることで満足する季節が自分にも訪れるのかも知れないと考えると寂しくなってきた。