備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

横浜市営バス

 大さん橋からの帰りに、横浜駅前で買い物をしようと思って、県庁あたりからバスに乗ることにした。来るときに初めて乗った「みなとみらい線」に乗った方が早いのかも知れないが、バスに乗ってみたかったのには理由がある。定期入れの奥にずっと長い間入っている古い「市バス回数券」を使ってみたかったからだ。
 横浜に住んでいたのは、93年7月まで。したがって、よく覚えてはいないものの、明らかに10年以上前に購入したものだ。回数券はすでに1枚ずつバラバラになって、角も折れ曲がったり、丸くなったりしている。それでも定期入れの奥に潜んで残っていた。
 乗車するとき、おそるおそる出してみたが、何のおとがめもなく使うことができた。ただし、当時のバス代との差額10円は支払った。
 回数券が使えたことは、なぜだかうれしかった。みなとみらい地区を初め、当時から大きく様変わりしてたこの地域の風景が、自分の住んでいた時代のそれと不連続のものではないということを確認できたような気がしたからかも知れない。すでに廃線になった東横線の、相変わらず落書きだらけの高架橋に沿った道をバスで通りながら、線路と反対側の小さな山の向こうの小さな部屋で暮らしていた日々があったことを思い出していた。