備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

鳥人間コンテスト選手権大会 2009年は中止

 既にあちこちで言及されているが、来年度の鳥人間コンテストの中止が決まった。
 http://www.ytv.co.jp/birdman/info2009.html
 2010年は必ずやるということなので、それほど重大な変更ではないようにも見える。しかし、大学のサークル等で出場しているチームの場合は、そうも言えない。大学生活は4年間しかなく、こういった大会に向かって活動できるのはせいぜい決まった1学年くらいで、それが終わると主要メンバーが入れ替わっていくというのが普通だからだ。大学生の立場からみれば、単に一年お休みになるというものではない。今年はこれに賭けようと考えていたその目標が崩れてしまうことになる。とても残念なことだ。(ちなみに大学公認のグループの活動予算も年度単位でつくことになるので、2009年度はどういう活動にどういう予算がつくのか、いつもと少し違ってくるだろう。)
 ところで、中止の理由は安全面の問題とされているが、そういうことになったのには、開催初期と比べて飛行距離が圧倒的に伸びている(特に、人力プロペラ機ディスタンス部門)ことも関係しているだろう。
 大学の広報機能を期待され、航空力学や流体工学の専門家がバックについて、主催者の予想を超えたフライトを見せるような見事な飛行が見られることも確かだ。当初は予想もしなかったタイプの安全対策が必要になっている。
 また、すぐに着水する一瞬の飛行なら視聴者も見逃すまいとして目をとめる。しかし、延々と変化のない水面上を飛び続けるシーンは単調になりかねないし、説明するアナウンサーも苦労するだろう。
 こういったところを見れば、競技内容が多少視聴者の期待から逸脱してきているのではないかと思えないこともない。2010年の復活に期待したいところだ。