備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

でんしゃはうたう2

 一昨日のエントリーの続き。
 『でんしゃは うたう』は、電車の音を示す擬音がとてもユニークだ。
 意外なひらがな表記が多く、文字だけ見ると何の音だかよくわからないものもある。しかし、場面を示す絵と合わせて書かれるとすぐにあの音か、と納得する。
 そして何よりも、口にして読み上げたとき、子どもにその場面を想起させる力が絶大である。この事実こそ、的確な表記であることの何よりの証拠だ。
 その後、この絵本の文章の作者が目の見えない人だと知って、その的確さの理由の一端がわかったような気がしてしまった。視覚障害者にとって駅のホームというのは、崖の上に立っているようなものだと聞いたことがある。足をすべらせれば、命の危険があるということだ。それ以外の音についてもそうなのだろうが、電車の音に敏感になるということは、生きていく上で必要なことでもある。
 作者の三宮麻由子さんのウェブページはこちら。
 http://www006.upp.so-net.ne.jp/hashiyasume/
 そういえば、久しぶりに載ると地下鉄丸の内線がワンマン運転になっていた。ホーム柵はとっくに完成していたようだが。