備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

全医学部で薬害授業実施=肝炎、エイズ被害者の講義など−文科省

 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010112700208 
 10年前には、『薬害が消される』というタイトルの本が出ている。この本は、薬害について語られることが少なくなったことを危惧して書かれたものだ。そして、今絶版になっている。(出版社の都合もあるのかも知れないが。)
 工学部で教えていて、公害や事故について社会問題としての語られる場合と、職業倫理として語られる場合との違いというものが気になっている。そして、後者のような言説が広がるとともに、前者のような言説が薄れていくのを感じていく。薬害の場合にも似たようなことが起こっているではないか。それが良いことなのかどうなのか、実はまだよくわからないでいる。
 ところで、文部科学省の調べだというが、これはもともと全体として何を目的とした調査だろうか。文科省のサイトを見たが、最近の報道発表には見当たらない。