備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

クローン猫

「癖も同じ? クローン猫 米社、5万ドルで販売」というニュース。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041223-00000110-kyodo-soci
 代理母になった猫はどこから連れてきたのかという問題や、そもそもクローン胚をいくつ作ったのか、途中で死んでしまったクローンは何匹いるのか、他にも何匹かクローンが生まれているんじゃないのか、一番うまくいったのだけを飼い主に戻しているんじゃないのか、という疑問などは見逃されているのだろう。
 クローンだからといって「ほぼ同じ遺伝子である」こと以外に何も保証されず、あくまでも別の猫であるのに、まるで「生まれかわり」であるかのような幻想を振りまいてい、意図的に購買者の錯誤を導き高値で生命を取引するところに問題を感じる。
 また、大切だと考えるから「代わり」を作りたいと思うのだろうが、「代わり」ができるというそのことによって、大切さの重要な部分が崩れてしまう。これは何もクローンの話しだけじゃない。実はそっくりさんのまったく関係ない猫でしたという「落ち」であってくれたら、まだ救いのある話だ。
 ちなみに2002年のクローン猫(名前は"CC"ちゃん)については、
http://www2.odn.ne.jp/~cdu37690/culounneko2.htm