備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

20進法の擁護

 「フランス語は数を勘定できず国際語として失格」と都知事。理由は、91という数字をフランス語で言う際には、「20が4つと11」と言わなければならないからだそうだ。そんなこと言ったら、日本語の「よんじゅういち」だって「10が4つと1」と表現している。要は、20進法か10進法かという違いに過ぎない。グローバルスタンダードは10進法だからフランス語もそれに合わせたら良いではないかというなら、それはひょっとすると親切心からのアドバイスかも知れないが、フランス語全体を問題にすることではないだろう。そんなに数の勘定が大事なら、いっそのこと「マシン語」を見習って16進法に変えてしまえばもっと合理的だ。
 いつだったかインドの子供たちは「19×19」まで瞬時に回答できる、要するに九九(くく)が「十九の段」まであるから、インド人はすごいみたいな報道をみたことがあったのだが、これも20進法のたまものかも知れない。フランスではどうなんだろう? 欧州には「20ユーロ紙幣」もある。80ユーロの買い物は20ユーロ紙幣4枚と考えれば良いのだからわかりやすいぜ。味気ない10進法が勢力を拡張するグローバリゼイションへの抵抗は、ぜひ継続して欲しいものだ。