備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

スグレジ(要改善)

 スグレジとは、西友で使われているセルフレジのための機械。昨年末からあって、もう何度も使用しているため、ここでその使いにくさをまとめておく。
 スグレジの仕組みは次のようなものだ。中央に、説明&タッチパネル用のモニタを備えたバーコードリーダがあって、左右に棚がある。まず、買うべきものをすべて入れた商品カゴを右の棚に置く。左の棚に、レジ袋またはマイバッグを置く。右の棚に置いた商品を取り出して、正面のバーコードリーダで読み取り、左の棚に移す。これを繰り返す。最後に画面のボタンを押すと、精算に移る。あとは、クレジットカードや現金で自動販売機のように支払う。
 この機械の特徴は、どうやら左右の棚の重さを測定していて、異常を検知するとストップするようになっているところにあるようだ。右から減った重量がちゃんと左で増えるというのが当然なので、万引き防止のために考えられる仕組みとしてはわからないでもない。
 しかし、そうなると一旦バーコードを読み取った商品を、レジ袋に詰めるのは後回しにしようとして、ちょっと横に置いたりすることはできない。左の棚の空いたところにおくことはできるのだが、商品の詰め替えのためにしばらく手で持ったりすると、やはり異常を検知する。4歳児と一緒にいくと、勝手にカゴから取り出したりするので、もうやってられない。計画的に整然と商品を右から左に移す必要があるのだ。人間には、なかなか難しいことだ。
 たしか最初に使ったときには、ストップすると必ず店員を呼んで、停止を解除してもらう必要があったと思う。しかし、今では「商品をカゴに入れないんですね」(微妙な言い方だが、万引きを疑っているようにも聞こえる)というような確認がなされて、自分で停止状態をクリアできるようになった。それはそれで、ちょっと心配になる。本当に万引き防止の役目を果たせるのだろうか。
 他にも、いくつか問題点を発見。
・カゴが2つになると右の棚に置く場所がない。(カートにはカゴが2つセットできるのに。)
・バーコードのない商品(袋なしの野菜・果物など)は、商品を画面で選択する必要があるのだが、探しにくい。
・割引シールが貼ってある場合は、店員を呼ぶ必要がある。(割引シールもバーコードにすべき。)
・複数個の同じ商品を一気に処理できない。
 結局、6台のレジに対して、複数の店員が控えている。普通の客は、プロよりもバーコードを通すのに時間はかかるし、袋詰めの段階までレジを占有することになるのだから、これでは店員がやった方が早いのではないかと思う。客が慣れればその問題も解消されるのかも知れないが、どうだろうか。今後の推移を見守りたい。開発した人のことを考えると、郵便局の「証紙君」や「ゆうパックン」のような運命をたどることがありませんようにとも思うのだが、「レジうちなんて大した技能じゃないし、誰でもできるし、ここで設備投資をしたら、人件費削減になる」と考えた人がいるかと思うと、うまくいかないで欲しいとも思う。
 なお、仕様上気になっていることは、商品カゴに商品が残ったまま精算ボタンを押すとどうなるのかということだ。(カゴの絶対的な重さを機械が知っているのかどうか。)