備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

センター試験「倫理」

受験者が少ないことで知られる「倫理」の問題を見てみると、最初の問題が次のとおりで、少し驚きました。
問1 下線部に関して,遺伝子の応用技術をめぐる問題についての記述として適当でないものを,次の①〜④のうちから一つ選べ
① 遺伝子組み換え技備は,植物などの遺伝子を操作することにより,除草剤や害虫に強い作物を作り出すという利点がある反面、生態系のバランスを崩す危険性がある。
着床前診断は,受精卵の遺伝子を競べることにより,子どもの重篤な遺伝性疾患の有無や発症の確率を事前に予測できるという利点がある反面,優生思想につながる危換性がある。
③ 遺伝子は,命の設計図とも言われるように個人のパーソナリティを決定する。ク口一ン人間の作成は,ある個人と完全に同じ性格の個人をもう一人作り出すことで,かけがえのない個人の尊厳を損なう危険性がある。
④ 遺法情報は,究極のプライバシーとも言われるように,慎重な取扱いを必要とする。遺伝子診断は,個人の将来の病気のかかりやすさが予測されることで,就職や保険加入や結婚の場面での差別を生み出す危険性がある。
ちなみに、下線部というのは会話文のうち「やっぱり遺伝的素費や家庭環境に恵まれている方が,人生は有利だよね。」の「遺伝」部分。正解(=適当でないもの)は河合塾によると③。
理科の問題ではないかという気もします。それが悪いことだと言えるわけでもないですが。