備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

一卵性双生児のDNAは同一でないという「発見」

http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0017125
 DNAの文字列の繰り返し箇所には、個人によってその繰り返し回数に違いがある場合があるが(コピー数多型)、その違いが一卵性双生児のあいだでも見られたということ。両親とも一致していない。また、一人の個人のもつ細胞のあいだでも違いがあるであろうことが示唆される。
 統合失調症の研究からというあたりが、いろいろと興味深い。こういう遺伝子と疾患の関係の研究は、もちろんうまくいっているものもあるけれど、病気になる人とならない人のDNAの違いをいろいろ調べたけどわかりませんでしたというネガティブな結果もたくさん積み重なっていて、砂の山の中から金を見つけ出すような作業なのだろうと思う。